namida_rassai’s diary

僕は高校生

名字の呼応

 

学内では基本的には特に人のことを名字や名前で呼ばない。

大体「ねえ」だとか「HEY」だとか言って肩や対象となる人物の視界内にある机を

指先で二回触れる。

部活の仲間はあだ名で呼ぶ。共に過ごす時間の短い仲間だから多少ふざけたあだ名で呼んでいる。

 

そんな僕だが、学内にて時たまに名字で呼ぶ仲の方々がいる。

F君とM君だ。

なぜ名字かというと僕はこの二人をふざけたあだ名で呼んでいいタチではないと理解しているからだ。ひとたびあだ名で呼べば水を手ですくうように消えてしまいそうだと感じた。

Mくんは相変わらず諍いなく時計がどうとかレスポールがどうとか似たり寄ったりな会話を毎日話したりする。

問題はF君だ。

以前ブログに書いた通り彼に対して僕は大失態を犯していた。

ところが最近僕を名字で呼んでくれるようになった。

もちろん「ちゃん」や「君」で呼ばれるわけではなく

「なあ(名字)、~~~~」みたいな風で呼ばれている。

それが軽蔑により呼び捨てにされているわけではなく、

仲のいいM君にもそんな風に呼んでいた。

つまり、僕は「生物ですらなかったもの」からM君と同等の立場へ成り上がれたのである。これは大快挙である。

 

これは今まで会えなかった時間が解決したのではない。

修学旅行で修復されたものだと思う。

修学旅行の班は四人班でF君、M君、Ma君、そして僕だ。

時は夜、特に何もない時間。

FくんとM君は話をしていた。

Ma君はすでに寝ていた。

僕も気が付けばその会話に参加していた。

そこそこ会話も盛り上がり、普段話せない様々なことを独白し合い、

次第に彼らの秘密や素性が住む隣部屋の壁が薄くなっていった。

おそらく彼らにとっても僕の秘密と素性の部屋の壁も薄くなったことであろう。

そんなこともあってか僕とF君との諍いの壁も薄くなって、突進すれば破壊できるレベルにまで薄くなったんだと思う。

そしてつい昨日、登校日にその壁はF君の手によってその壁は破壊された。

僕は嬉しかった。これでF君とM君と僕の三人の相部屋として残りの一年を過ごすことができると思った。このチャンスを手放さないと決意した。

 

追記、月曜日から部活動が開始されたため土日は時間がありません。